Ray-MMDの特徴の一つに、fxファイルで質感を表現することができる点が上げられます。
設定項目が多く、fxファイルの編集が前提なので少しハードルが高いですが、 このページで材質のfxファイルの設定の仕方などを解説します。
材質ファイルについて
ray-mmdでは、MMEのfxファイルに材質の質感を設定し、
そのfxファイルをMMDモデルに割り当てることでモデルの質感を変えます。
fxファイルでは様々な項目について詳細に設定することができます。
ray-mmdを使いこなすには、fxファイルの編集が不可欠です。
各パラメーターの解説
大きく分けて、以下の12項目を設定できます。
名称 | 設定できる内容 |
---|---|
Albed | 基本となる色 |
Sub Albedo | 副次的な色 |
Alpha | 透明度 |
Normal | 法線 |
Sub Normal | 副次的な法線 |
Smoothness | 滑らかさ・光沢の鋭さ |
Metalness | 光沢の強弱 |
Specular | 光沢の色 |
Occlusion | 影のできやすさ |
Parallax | でこぼこ |
Emissive | 発光・点滅 |
Shading Model ID | 特殊な設定 |
一つ一つ解説していきます。
ALBEDO(アルベド)
Albedoは、材質の全体的な色のことです。
MMDのテクスチャや、拡散色に一番近いのは、このアルベドになります。
MMDのテクスチャと違うのは、影やへこみなどはアルベドのマップ(画像のこと)には入れません。
それらは別の項目で指定します。
ALBEDO_MAP_FROM
アルベドの取得元を数値で設定して、マテリアルの色を決定します。
モデルのテクスチャから持ってくるだけでなく、材質色を使ったり、外部の画像ファイルを使ったりもできます。
デフォルトでは3になっており、材質のテクスチャをそのままアルベドマップとして扱っています。
値 | 説明 |
---|---|
0 | モデルの材質に設定されている拡散色やテクスチャマップを無視し、const float3 albedo で設定された色を使います。 |
1 | モデルの材質に設定されている拡散色やテクスチャマップを無視し、“ALBEDO_MAP_FILE”に設定したパスの画像を使います。(bmp, png, jpg, tga, dds) |
2 | モデルの材質に設定されている拡散色やテクスチャマップを無視し、“ALBEDO_MAP_FILE”に設定したパスのアニメーション画像を使います。(gif,apng) |
3 | モデルの材質のテクスチャを使用します。 |
4 | モデルの材質のスフィアマップを使用します。 |
5 | モデルの材質のトゥーンマップを使用します。 |
6 | extensionフォルダにあるDummyScreen.xを経由してaviまたはscreenを使用します。 |
7 | モデルの材質の環境色を使用します。 |
8 | モデルの材質の反射色を使用します。 |
9 | モデルの材質の反射強度を使用します。(smoothnessでのみ有効。その他の_MAP_FROM、例えばALBEDO_MAP_FROMではエラーとなる。) |
「〇〇_MAP_FROM」という箇所はほかにもありますが(後述)、9番は「SMOOTHNESS_MAP_FROM」でのみ指定できます。
ALBEDO_MAP_UV_FLIP
ALBEDO_MAP_UV_FLIPに設定したcode(数値)によってテクスチャをX軸、Y軸、または両方で反転させます。
値 | 説明 |
---|---|
0 | 反転しない(デフォルト) |
1 | X軸で反転 |
2 | Y軸で反転 |
3 | X軸とY軸で反転 |
ALBEDO_MAP_APPLY_SCALE
ALBEDO_MAP_FROMで取得した色に対して、後述の「albedo」で設定する数値で補正するかどうかを設定します。
値 | 説明 |
---|---|
0 | 反転しない(デフォルト) |
1 | X軸で反転 |
2 | Y軸で反転 |
3 | X軸とY軸で反転 |
ALBEDO_MAP_APPLY_DIFFUSE
テクスチャカラーにPMXモデルに設定されている拡散色の数値で乗算を行います。
MMDの拡散色の影響を、アルベドに反映させるかどうかの設定になります。
値 | 説明 |
---|---|
0 | 演算しない(デフォルト) |
1 | map values * albedo (乗算) |
2 | map values ^ albedo(累乗) |
ALBEDO_MAP_APPLY_MORPH_COLOR
テクスチャカラーとPMXモデルに設定されているmorph(R+/G+/B+)の値で乗算を行います。
R+/G+/B+という名前のモーフをPMX側で設定すると、そのモーフの影響で変化させることができます。
値 | 説明 |
---|---|
0 | 乗算しない |
1 | 乗算する(デフォルト) |
ALBEDO_MAP_FILE
ALBEDO_MAP_FROMに1または2を設定して画像ファイルを参照するようにした場合、そのパスをここで設定します。
パスはこのfxファイルからみた相対パス。もしくは絶対パスで書きます。
例 | 書き方 |
---|---|
xxx.jpg と material.fx が同じフォルダにある場合 | #define ALBEDO_MAP_FILE “xxx.jpg” |
xxx.jpg が material.fx の親フォルダにある場合 | #define ALBEDO_MAP_FILE “../xxx.jpg” |
const float3 albedo =
ALBEDO_MAP_FROMに0またはALBEDO_MAP_APPLY_SCALEに1を設定した場合、数値をここで設定します。
例 | 書き方 |
---|---|
赤くする場合 | const float3 albedo = float3(1.0, 0.0, 0.0) |
albedoMapLoopNum
アルベドのテクスチャマップをタイル状に繰り返す回数を設定します。
X方向とY方向、それぞれ異なる回数を設定する場合は、albedoMapLoopNum = float2(x, y)のように記述することができます。
例 | 書き方 |
---|---|
XとYが同じ数値で2回繰り返す場合 | const flaot albedoMapLoopNum = 2.0; またはconst flaot2 albedoMapLoopNum = 2.0; |
XとYが異なる数値(2回と3回)の場合 | const flaot2 albedoMapLoopNum = float2(2.0, 3.0); |
SubAlbedo(サブ アルベド)
メインであるAlbedoを補完する第二のアルベドです。
PMXでは、スフィアマップの場所に入れた画像を「サブテクスチャ」として扱うことができますが、それに一番近いと思います。
サブであるこのアルベドが、メインのアルベドにどういった効果を与えるのかも設定できます。
ALBEDO_SUB_ENABLE
アルベドの色の調整方法を数字で指定します。
値 | 説明 |
---|---|
0 | SubAlbedoを使用しない(デフォルト) |
1 | albedo * albedoSub(乗算) |
2 | albedo ^ albedoSub(累乗) |
3 | albedo + albedoSub(加算) |
4 | メラニン |
5 | アルファブレンド |
ALBEDO_SUB_MAP_FROM
サブアルベドの取得元を数値で設定して、マテリアルの色を決定します。
※ALBEDO_MAP_FROMを参照
ALBEDO_SUB_MAP_UV_FLIP
数値を指定して、テクスチャをX軸、Y軸、または両方で反転させます。
※ALBEDO_MAP_UV_FLIPを参照
ALBEDO_SUB_MAP_APPLY_SCALE
数値を指定して、ALBEDO_MAP_FROMで決定した色(map values)に対してalbedoの数値で演算を行います。
※ALBEDO_MAP_APPLY_SCALEを参照
ALBEDO_SUB_MAP_FILE
ALBEDO_MAP_FROMに1または2を設定して画像ファイルを参照するようにした場合、そのパスをここで設定します。
パスはこのfxファイルからみた相対パス。もしくは絶対パスで書きます。
※ALBEDO_MAP_FILEを参照
const float3 albedoSub =
ALBEDO_MAP_FROMに0またはALBEDO_MAP_APPLY_SCALEに1を設定した場合、数値をここで設定します。
※const float3 albedoを参照
albedoSubMapLoopNum
アルベドのテクスチャマップをタイル状に繰り返す回数を設定します。
※albedoMapLoopNumを参照
Alpha(透過)
マテリアルの透過設定です。画像の濃淡で穴をあけたり、透けさせたりできます。
ALPHA_MAP_FROM
透過値をどこから持ってくるのか、番号で指定します。
※ALBEDO_MAP_FROMを参照
ALPHA_MAP_UV_FLIP
透過用のマップをX軸、Y軸、または両方で反転させます。
※ALBEDO_MAP_UV_FLIPを参照
ALPHA_MAP_SWIZZLE
透過値を、参照するマップのどのチャンネルから持ってくるかを設定します
値 | 説明 |
---|---|
0 | Rチャンネル(赤色)を参照する |
1 | Gチャンネル(緑色)を参照する |
2 | Bチャンネル(青色)を参照する |
3 | Aチャンネル(アルファ)を参照する |
ALPHA_MAP_FILE
ALPHA_MAP_FROMに1または2を設定して画像ファイルを参照するようにした場合、そのパスをここで設定します。
パスはこのfxファイルからみた相対パス。もしくは絶対パスで書きます。
※ALBEDO_MAP_FILEを参照
const float3 alpha =
ALPHA_MAP_FROMに0に1設定した場合、透明度をここで設定します。
alphaMapLoopNum
透過テクスチャマップをタイル状に繰り返す回数を設定します。
※albedoMapLoopNumを参照
Normal(法線)
法線とは、面に垂直な線のことです。表面の細かい凹凸を表現するのにこのパラメータを設定します。
法線マップについて詳しく知りたい方は、■法線マップについてをご覧下さい。
NORMAL_MAP_FROM
法線マップをどこから持ってくるのか、番号で指定します。
※ALBEDO_MAP_FROMを参照
NORMAL_MAP_TYPE
法線マップには複数の規格があります。それをここで数値で指定します。
2や3を選択すると、グレースケールのバンプマップも使えます。
値 | 説明 | 脚注 |
---|---|---|
0 | RGBののタンジェントで計算する。 | 法線マップは青っぽい。MMEで多く使われているのはこの規格。 |
1 | RGのタンジェントで計算する。 | 法線マップは黄色っぽい。MMEでは見たことがない。 |
2 | グレースケールのバンプマップを使い、低精度で計算する。 | 白黒画像で高低を表す。精度が低く小さいものには反映されにくい。 |
3 | グレースケールのバンプマップを使い、高精度で計算する。 | 白黒画像で高低を表す。少し重いが綺麗に出る。 |
3 | RGBのワールド座標で計算する。 | 法線マップは鮮やかな虹色MMEでは見たことがない。 |
NORMAL_MAP_UV_FLIP
法線マップをX軸、Y軸、または両方で反転させます。
※ALBEDO_MAP_UV_FLIPを参照
NORMAL_MAP_FILE
NORMAL_MAP_FROMに1または2を設定して画像ファイルを参照するようにした場合、そのパスをここで設定します。
パスはこのfxファイルからみた相対パス。もしくは絶対パスで書きます。
※ALBEDO_MAP_FILEを参照
const float normalMapScale =
法線マップの表示倍率です。デフォルトは1倍。
normalMapLoopNum
法線マップをタイル状に繰り返す回数を設定します。
※albedoMapLoopNumを参照
Sub Normal(副法線)
ここで2つ目の法線マップを指定できます。
一つ目(Normal)のほうで大まかな凹凸をつけ、こちらで細かな傷やしわをつけるといった使い方をします。
NORMAL_SUB_MAP_FROM
副法線マップをどこから持ってくるのか、番号で指定します。
※ALBEDO_MAP_FROMを参照
NORMAL_SUB_MAP_TYPE
副法線マップの規格を番号で指定します。
※NORMAL_MAP_TYPEを参照
NORMAL_SUB_MAP_UV_FLIP
副法線マップをX軸、Y軸、または両方で反転させます。
※ALBEDO_MAP_UV_FLIPを参照
NORMAL_SUB_MAP_FILE
NORMAL_SUB_MAP_FROMに1または2を設定して画像ファイルを参照するようにした場合、そのパスをここで設定します。
パスはこのfxファイルからみた相対パス。もしくは絶対パスで書きます。
※ALBEDO_MAP_FILEを参照
const float normalSubMapScale =
副法線マップの表示倍率です。デフォルトは1倍。
normalSubMapLoopNum
副法線マップをタイル状に繰り返す回数を設定します。
※albedoMapLoopNumを参照
Smoothness(スムースネス、滑らかさ)
スムースネスマップは、材質の滑らかさを表すマップです。
反射の「鋭さ」を設定する項目で、金属のように鋭く反射させたり、ゴムのように鈍く反射させるといった設定を行います。
SMOOTHNESS_MAP_FROM
スムースネスをどこから持ってくるのか、番号で指定します。
※ALBEDO_MAP_FROMを参照
SMOOTHNESS_MAP_TYPE
スムースネスのパラメータタイプを設定します。
値 | 説明 | 脚注 |
---|---|---|
0 | マップを「滑らかさ」として扱う | |
1 | マップをノンリニアな「粗さ」として扱う | ノンリニア:曲線的に変化する。 |
2 | マップをリニアな「粗さ」として扱う | リニア:直線的に変化する。 |
SMOOTHNESS_MAP_UV_FLIP
スムースマップをX軸、Y軸、または両方で反転させます。
※ALBEDO_MAP_UV_FLIPを参照
SMOOTHNESS_MAP_SWIZZLE
参照するマップのチャンネルを設定します。
※ALPHA_MAP_SWIZZLEを参照
SMOOTHNESS_MAP_APPLY_SCALE
取得した値を。どのように計算するかの指定を数値で行います。
※ ALBEDO_MAP_APPLY_SCALEを参照
SMOOTHNESS_MAP_FILE
SMOOTHNESS_MAP_FROMに1または2を設定して画像ファイルを参照するようにした場合、そのパスをここで設定します。
パスはこのfxファイルからみた相対パス。もしくは絶対パスで書きます。
※ALBEDO_MAP_FILEを参照
const float smoothness =
SMOOTHNESS_MAP_FROMに0またはSMOOTHNESS_MAP_APPLY_SCALEに1を設定した場合、数値をここで設定します。
※const float3 albedoを参照
smoothnessMapLoopNum
スムースネスマップをタイル状に繰り返す回数を設定します。
※albedoMapLoopNumを参照
Metalness(メタルネス、メタリック)
金属部分を表すマップを設定るる項目です。
スムースネスが、反射の「鋭さ」を設定するのに対して、こちらは反射の「明るさ」を設定します。
METALNESS_MAP_FROM
メタルネスマップをどこから持ってくるのか、番号で指定します。
※ALBEDO_MAP_FROMを参照
METALNESS_MAP_UV_FLIP
メタルネスマップをX軸、Y軸、または両方で反転させます。
※ALBEDO_MAP_UV_FLIPを参照
METALNESS_MAP_SWIZZLE
参照するマップのチャンネルを設定します。
※ALPHA_MAP_SWIZZLEを参照
METALNESS_MAP_APPLY_SCALE
取得した値を。どのように計算するかの指定を数値で行います。
※ ALBEDO_MAP_APPLY_SCALEを参照
METALNESS_MAP_FILE
METALNESS_MAP_FROMに1または2を設定して画像ファイルを参照するようにした場合、そのパスをここで設定します。
パスはこのfxファイルからみた相対パス。もしくは絶対パスで書きます。
※ALBEDO_MAP_FILEを参照
const float metalness =
METALNESS_MAP_FROMに0またはMETALNESS_MAP_APPLY_SCALEに1を設定した場合、数値をここで設定します。
※const float3 albedoを参照
metalnessMapLoopNum
金属光沢マップをタイル状に繰り返す回数を設定します。
※albedoMapLoopNumを参照
Specular(スペキュラ)
ベース反射率を変更し、反射する色を設定する項目です。
たとえば「金」のマテリアルであれば、この値を変更して黄色っぽくします。
SPECULAR_MAP_FROM
スペキュラマップをどこから持ってくるのか、番号で指定します。
※ALBEDO_MAP_FROMを参照
SPECULAR_MAP_TYPE
スペキュラのタイプを設定します。
値 | 説明 |
---|---|
0 | 関数 F(x) = 0.08*(x ) を使う。 |
1 | 関数 F(x) = 0.16*(x^2) を使う。 |
2 | 関数 F(x) = 0.08*(x ) を使う。 |
3 | 関数 F(x) = 0.16*(x^2) を使う。 |
4 | SPECULAR_MAP_FROM が0の時、0.5の代わりに0.04として計算する。 |
SPECULAR_MAP_UV_FLIP
スペキュラマップをX軸、Y軸、または両方で反転させます。
※ALBEDO_MAP_UV_FLIPを参照
SPECULAR_MAP_SWIZZLE
スペキュラマップのチャンネルを設定します。
※ALPHA_MAP_SWIZZLEを参照
SPECULAR_MAP_APPLY_SCALE
取得した値を。どのように計算するかの指定を数値で行います。
※ ALBEDO_MAP_APPLY_SCALEを参照
SPECULAR_MAP_FILE
SPECULAR_MAP_FROMに1または2を設定して画像ファイルを参照するようにした場合、そのパスをここで設定します。
パスはこのfxファイルからみた相対パス。もしくは絶対パスで書きます。
※ALBEDO_MAP_FILEを参照
const float specular =
SPECULAR_MAP_FROMに0またはMETALNESS_MAP_APPLY_SCALEに1を設定した場合、数値をここで設定します。
※const float3 albedoを参照
specularMapLoopNum
スペキュラマップをタイル状に繰り返す回数を設定します。
※albedoMapLoopNumを参照
Occlusion(オクルージョン)
MMEを使っている方なら、SSAOとかHgSSAOというMMEを聞いたことがあるのではないでしょうか。
モデルの細かいディテールに落ちる影を、疑似的に計算することで低負荷でリアルな影を付けられるというものです。
この技術をアンビエントオクルージョンというのですが、その影響の設定を行うのがこの項目です。
OCCLUSION_MAP_FROM
オクルージョンの値をどこから持ってくるのか、番号で指定します。
※ALBEDO_MAP_FROMを参照
OCCLUSION_MAP_TYPE
オクルージョンマップのタイプを設定します。
値 | 説明 |
---|---|
0 | 線形色を使用する。 |
1 | sRGBの色空間を使用する。 |
2 | セカンドUVの線形色を使用する。 |
3 | セカンドUVのsRGBの色空間を使用する。 |
OCCLUSION_MAP_UV_FLIP
オクルージョンマップをX軸、Y軸、または両方で反転させます。
※ALBEDO_MAP_UV_FLIPを参照
OCCLUSION_MAP_SWIZZLE
オクルージョンマップのチャンネルを設定します。
※ALPHA_MAP_SWIZZLEを参照
OCCLUSION_MAP_APPLY_SCALE
取得した値を。どのように計算するかの指定を数値で行います。
※ ALBEDO_MAP_APPLY_SCALEを参照
const float occlusion =
オクルージョンの値を設定します。
occlusionMapLoopNum
オクルージョンマップをタイル状に繰り返す回数を設定します。
Parallax(パララックス、視差)
ハイトマップを使って、材質に高低差をつけることができます。
実際に頂点を移動させるものではありませんが、視点を動かすと本当に盛り上がっているように見えます。
角度が浅くなるとうまくいかないのが難点です。
PARALLAX_MAP_FROM
視差マップをどこから持ってくるのか、番号で指定します。
※ALBEDO_MAP_FROMを参照
PARALLAX_MAP_TYPE
視差マップのタイプを設定します。
値 | 説明 |
---|---|
0 | 透明度なしで計算する。 |
1 | 透明度と最良のSSDOで視差のオクルージョンを計算する。 |
PARALLAX_MAP_UV_FLIP
視差マップをX軸、Y軸、または両方で反転させます。
※ALBEDO_MAP_UV_FLIPを参照
PARALLAX_MAP_SWIZZLE
視差マップのチャンネルを設定します。
※ALPHA_MAP_SWIZZLEを参照
PARALLAX_MAP_FILE
PARALLAX_MAP_FROMに1または2を設定して画像ファイルを参照するようにした場合、そのパスをここで設定します。
パスはこのfxファイルからみた相対パス。もしくは絶対パスで書きます。
※ALBEDO_MAP_FILEを参照
const float parallaxMapScale =
パララックスの倍率を設定します。(デフォルト1.0)。
parallaxMapLoopNum
オクルージョンマップをタイル状に繰り返す回数を設定します。
※albedoMapLoopNumを参照
Emissive(エミッシブ、発光)
一言でいえば、MMEのオートルミナスです。
自ら発光するような材質はここで設定します。
「光源」ではないので、周りを照らすような効果はありません。
EMISSIVE_ENABLE
エミッシブを有効にするか(光らせるか)
値 | 説明 |
---|---|
0 | 無効 |
1 | 有効 |
EMISSIVE_MAP_FROM
エミッシブマップをどこから持ってくるのか、番号で指定します。
※ALBEDO_MAP_FROMを参照
EMISSIVE_MAP_UV_FLIP
エミッシブマップをX軸、Y軸、または両方で反転させます。
※ALBEDO_MAP_UV_FLIPを参照
EMISSIVE_MAP_APPLY_SCALE
取得した値を。どのように計算するかの指定を数値で行います。
※ ALBEDO_MAP_APPLY_SCALEを参照
EMISSIVE_MAP_APPLY_MORPH_COLOR
エミッシブの色とPMXモデルに設定されているmorph(R+/G+/B+)の値で乗算を行います。
※ ALBEDO_MAP_APPLY_MORPH_COLORを参照
EMISSIVE_MAP_APPLY_MORPH_INTENSITY
エミッシブの色とPMXモデルに設定されているmorph(Intensity+/Intensity-)の値で乗算を行います。
Intensity+/Intensity-という名前のモーフをPMX側に設定することで使えるようになります。
値 | 説明 |
---|---|
0 | 乗算しない |
1 | 乗算する |
EMISSIVE_MAP_APPLY_BLINK
発光を点滅させる場合は、ここで数値で指定します。
値 | 説明 |
---|---|
0 | 点滅しない |
1 | emissiveBlinkに記載した周期で点滅します(後述)。 |
2 | morph controllerのBlinkに従って点滅します。 |
const float3 emissive =
EMISSIVE_MAP_FROMに0またはEMISSIVE_MAP_APPLY_SCALEに1または2を設定した場合、0.0~1.0の範囲でここに数値を設定します。
const float3 emissiveBlink =
EMISSIVE_MAP_APPLY_BLINKに1を設定した場合、周期をここで設定します。
const float3 emissiveBlink = float3(1.0, 2.0, 3.0);とした場合には、赤は1周期、緑は2周期、青は3周期で点滅します。
const float emissiveIntensity =
エミッシブの倍率を設定します。
大きくすると、より強く発光します。
emissiveMapLoopNum
エミッシブマップをタイル状に繰り返す回数を設定します。
※albedoMapLoopNumを参照
Shading Model ID(シェーディングモデルID)
マテリアルのシェーディング方法の種類を決定します。
「CUSTOM_ENABLE」を0以外に設定すると、pmxコントローラーで材質の調整をする場合
「CustomA」と「CustomB」のモーフが使えるようになります。
その「CustomA」と「CustomB」のモーフで、どのパラメータを変更できるかなどを設定するのがこの項目です。
関連付けられるpmxコントローラーは、エフェクトと同じ場所にある、同じ名前のpmxファイルになります。
CUSTOM_ENABLE
カスタムを数値で指定します。
値 | 材質 | CustomA | CustomB | 備考 |
---|---|---|---|---|
0 | デフォルト | 無効 | 無効 | |
1 | 肌 | 曲率 | 透過色 | |
2 | (空欄) | 無効 | 無効 | |
3 | 異方材質 | 異方性 | シフトタンジェント | |
4 | ガラス | 曲率 | 透過色 | 反射をさせるためには、pmxの非透過度を0.999以下にする必要がある。 |
5 | 布 | 光沢 | けば色 | |
6 | クリアコート | 滑らかさ | 無効 | 透明なものでコーティングされた質感。 |
6 | 面下 | 曲率 | 透過色 | 曲率(curvature) は、不透明度(opacity)とも呼ばれ、ぼかしの全体的な強度を定義する。 |
8 | セルシェーディング | しきい値 | 影の色 | |
9 | トゥーン調 | かたさ | 影の色 |
CUSTOMAP_A_MAP_FROM
CUSTOMAP_B_MAP_FROM
マップをどこから持ってくるのか、番号で指定します。
※ALBEDO_MAP_FROMを参照
CUSTOMAP_A_MAP_UV_FLIP
CUSTOMAP_B_MAP_UV_FLIP
マップをX軸、Y軸、または両方で反転させます。
※ALBEDO_MAP_UV_FLIPを参照
CUSTOM_A_MAP_COLOR_FLIP
CUSTOM_B_MAP_COLOR_FLIP
マップの階調を反転します
値 | 説明 |
---|---|
0 | 反転しない |
1 | 反転する |
CUSTOM_A_MAP_SWIZZLE
CUSTOM_B_MAP_SWIZZLE
マップのチャンネルを設定します。
※ALPHA_MAP_SWIZZLEを参照
CUSTOM_B_MAP_APPLY_SCALE
CUSTOM_B_MAP_APPLY_SCALE
数値で演算を行います。
※ALBEDO_MAP_APPLY_SCALEを参照
CUSTOM_A_MAP_FILE
CUSTOM_B_MAP_FILE
CUSTOM_A_MAP_FROM/CUSTOM_B_MAP_FROM に1または2を設定して画像ファイルを参照するようにした場合、そのパスをここで設定します。
パスはこのfxファイルからみた相対パス。もしくは絶対パスで書きます。
※ALBEDO_MAP_FILEを参照
const float customA
const float customB
マップの値を0.0~1.0で設定します。
customAMapLoopNum
customBMapLoopNum
エミッシブマップをタイル状に繰り返す回数を設定します。
※albedoMapLoopNumを参照
その他
#include “material_common_2.0.fxsub”
「material_common_2.0.fxsub」がある場所への相対パスを設定します。
一つ上のファイルにあるならば、「#include “../material_common_2.0.fxsub”」と書き直します。
マテリアルというより、fxファイルの設定です。間違えると落ちます。
同梱されているマテリアル
「Material」フォルダの中にはたくさんのプリセットが入っています。
最初のうちはそれらを活用してみたり、中身をのぞいてみたり、改造して使ってみたりしてください。
まとめ
- Ray-MMDでは、fxファイルで材質設定を行う。
- テキストエディタやメモ帳で設定していく。
- 慣れないうちは、プリセットを活用しよう。